豊丘の絆

豊橋ラグビースクールコーチ

 
【豊橋ラグビースクール】
設立は昭和46年。岩田運動公園の総合球技場で毎週日曜日に活動。幼稚園児から中学生まで約100名の団員が所属している。モットーは「約束を守る、みんな仲良く、最後まで頑張る」。
リオ五輪７人制ラグビー日本代表の彦坂匡彦選手（春日丘高－筑波大－トヨタ自動車ヴェルヴィッツ）をはじめ、全国の強豪高校、大学、社会人チームに多くのOBを輩出している。

【ラグビーとの出会い】
鈴木さん「高校の冬の体育の授業でやったのが最初です。１年のときは何をやっているのか分からず、２年になってちょっと面白いと思え、３年になってゲームをやるようになって楽しいと感じるようになりました」
山下さん「高校時代は野球部で、才林先生には毎日のように叱られていました。体育の授業でラグビーと出会い、進学した日本福祉大学でラグビー部に入部。当時、東海Ｃリーグ所属で大学から始めるメンバーも多く、同期10人のうち経験者は3人くらいでした。ただ、先輩にはもう少しで花園くらいの方が結構いて、とにかく走らされました。ラグビーは足が速い遅いじゃない、最後まで諦めずに走ることが大事だと教わった気がします」

【コーチになるきっかけ】
鈴木さん「高校を卒業してからはラグビーを離れましたが、上の子供が小学生になったとき、スポーツをやらせようと思い、誘ってもらいラグビースクールに入り、お手伝いをするようになりました。それが13年くらい前で、子供は卒業しましたが自分がハマってしまい（笑）」
山下さん「卒業後、豊橋に戻り地元のクラブチーム入り、33歳くらいまでプレーしていました。その後、上の子供が小学生になった16年前に、豊橋ラグビースクールに入ることになり、僕も経験者ということでコーチを頼まれ、親子で『スクール・ウォーズごっこ』を楽しんだのがきっかけです（笑）」

【コーチになって】
鈴木さん「現在は中学生クラスの担当です。子供の成長って凄いと思う。とくに中学生になると急に体も大きくなって心も技術も凄いスピードで成長してゆくのに驚きます」
山下さん「13年前にチーフコーチにつかせていただき10年連続でやりました。今は子供たちに合った練習メニューや戦術を考えて、楽しみながら頑張れるラグビーをコーチしています。体が続く限りやっていきたいですね」

【記憶にのこること】
鈴木さん「彦坂選手の中学生時代にハードヒットを受け鎖骨を骨折しました。練習が終わった後の中学生と指導員の練習試合で。中学生はこんなに凄いのかと。でも今では自慢のできる名誉の負傷かな？」
山下さん「２年前の全国高校ラグビー愛知県大会のベスト８がここ（岩田の総合球技場）であったとき、対戦した三好高校と西陵高校両チームのキャプテンが指導した子で、それだけで泣けてしまうのだけど(笑)、接戦の末負けた三好のキャプテンが泣き崩れるチームメイトに『最後まで胸を張れ！』とグランドに響き渡った声と、西稜のキャプテンとの『ノーサイド』のあいさつ後健闘を讃えあっている姿を見てもう涙が止まらなかったです。一緒に見ていた他のコーチも皆泣いていました」

【これから】
鈴木さん「２年後はラグビーワールドカップ日本大会。一緒に練習した子供たちが出て行ってくれると嬉しいですね。ラグビーは厳しいけどやってみると楽しい。まだまだマイナーなのでもっと広まって欲しいですね」
山下さん「トヨタの彦坂兄弟や今年ヤマハに入団した廣川翔也選手、東海大学の伊藤龍之介選手などの有名選手もいるし、毎年のように高校ラグビーでは花園にうちの子が出ています。そういう選手が育つのはもちろん嬉しいですし励みになります。しかし、どんな子でも、なかなか勝てない子でも励まし続けて最後まで頑張れるスクールにしていきたいですね。そういう子供達といっしょにやっていきたいです」

【取材を終えて】
ラグビー部のない母校の同窓生が、日本代表クラスの選手を輩出する名門ラグビースクールでコーチをしていることを意外と感じる方も多いのではないでしょうか。
豊橋ラグビースクールの特徴は、どんなレベルの子でも最後まで続けられるよう楽しく指導する、ということ。取材している後ろでは、子供たちが本当に楽しそうに走り回っていました。お子さんに何かスポーツをさせたいと思っている同窓生の皆さんは、２人を訪ねてみてはいかがでしょう。最近では、女子の団員も増えているそうです。
２年後のワールドカップ日本大会に向けて盛り上がりつつあるラグビーブーム。豊橋ラグビースクール出身の選手たちの今後の活躍が楽しみです。（19回生・加藤）