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河合浩樹さん(16回生)

河合果樹園 代表

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【プロフィール】
小・中・高とサッカーに夢中で勉強嫌いだったが、大学進学を前に 恩師からマネージメント(経営能力)の話を聞き、その必要性を感 じて大学進学を決心した。大学卒業後、実家に就農したが、当時、 家の経営はどん底状態、ハウスみかんを始め経営を立て直して行った。 経営も安定すると28才より未来の農業経営について研究実践を開始。手始めとしてレモン栽培を始め周年収穫化と定休日設定を行い達成する。その後、無農薬でレモンを栽培できる方法を確立、ホームページを活用し品質をアピールする事で新しい販路の多様化に成功する。 現在、無農薬レモンを皮ごと使った「初恋レモンプロジェクト」を地域の仲間と展開中。

【自然が好き、サッカー大好き】
僕の子供の頃は、中原町は田舎で近くにあるのは自然。家の近くには川が流れ、一日中自然の中で遊んでいた事を思い出します。昆虫や植物を観察するのが好きで、いつまでも飽きずに見ていました。 通っていた谷川小学校は人数も少なかったので、小学校も高学年になると、運動クラブに駆り出され水泳・バスケット・サッカーと一年中運動していました。その中でもサッカーが好きになり、中学に入学するとサッカー部に入りました。二川中学は上手な先輩が多く、レベルが高かったですね。サッカーが楽しくて、同じ仲間とずっと一緒にプレーできると思っていました。 ところが高校に入って二川中学の仲間とサッカーができると思いきや、豊丘高校には二川中から僕一人、ちょっとがっかりしました。でもその頃、豊丘のサッカー部は強かったですよ。一年からレギュラーでポジションは左ウィング、上級生になると攻撃型ミッドフィルダーをしていました。とにかく高校でもサッカーをしに学校に行っているようなものでした。

【小笠原先生との出会い】
とにかくサッカー、サッカー、だから勉強は嫌いでしょ、成績は悪い方ではなかったけど、勉強を必死になってやっていたタイプじゃなかった。3年生になって、進学はどっちでも良いやと思って、夏休みは遊んでいて、10月の共通1次の模試で400点ぐらいしか取れなくて、担任の小笠原先生に「これはもう絶望的だな。明日からもう一度勉強するか、サッカー部に復活するか考えて来い。」って、こてんぱんにやられて、家にも何度も家庭訪問に来てくれた。でも、うちの親は進学には関心が無く、先生の話をまともに聞こうとしなかったので、家庭訪問の後いつも「それじゃコーヒーでも飲みに行こうか。」と喫茶店に連れて行ってもらいました。いろいろな話をしたけど、「結局今しか勉強する時は無いから勉強をしろ。」と何度も言われたことを思い出します。 大学は、家が農業なので、農学部を希望。その当時、小笠原先生に「これから経営能力がなけりゃ何も出来ない。何の商売をしていても経営能力がなければいけない。」と言われ、そこから必死で勉強して静岡大学農学部に滑り込みました。

【多門院先生との出会い】
大学の授業は、2年生までは教養、3年生から学部に行って、専門的な授業になるんだけど、マクロを理解できていなくてまったく面白くなかった。でも、担当の多門院先生との出会いがあって、なぜか授業にも出ていない、成績も良くない僕を色々な農業試験場に連れて行ってくれたりしてかわいがってもらい、今さらながらすごく感謝しています。 家で仕事をするようになってからも、事ある毎にアドバイスをくれたりとか、4,5年は先生に結構気を使って頂きました。先生が、僕を見て、こいつ伸びるんじゃないかって思ってくれていたのなら嬉しいですね。

【農業への挑戦】
大学を卒業してすぐに就農しました。当時、家の経営はどん底状態、露地みかんと米という2大儲からない品目を作っていたので、儲かる品目を作ろうとハウスみかんを始めました。経営の見直し以前に技術的な課題があったので、技術を磨きながらハウスみかんを5年ぐらいやって、ようやく28才の頃から、農業経営について考え、「1年中何か育てる事が出来ないか。」「日曜日はお休み」を目標に研究を始めました。 当時は周りから、何をやりだすんだ「バカだ」とか言われましたが、僕の性格は人の言う事は耳に入らない猪突猛進型、むこうに光が見えるのであれば、光の方向に進むんです。 そこで「人のやっていないことをやらないと」と考え出会ったのが、現在の主力作物の「無農薬レモン」でした。

【気付きと発見】
レモン栽培をしている中、しだいに植物の生育を見て、どうやったらこんな反応するのだろうかとか、こう切ったらこうなるとか、判るようになりました。これは、子供の頃、昆虫を見たり、生き物を見たりしていた時の目が生きていたのだと思います。そしてレモンが無農薬で栽培できる方法にたどり着く(気付きと発見)事ができました。 こうしてオンリーワンの商品が出来たのですが、どうしたらレモンが売れるかと言う問題にぶつかりました。 既存の流通ではせっかく良い商品を作っても認めてもらえない、評価は減点法なのです。 それを克服するために思い付いたのが、当時普及し始めたホームページを活用することです。1年間かけて作り込みを行い、ホームページ上で情報を発信する事でお客さんに来てもらえる仕組みを作りました。 そして情報を発信する側にまわったことで、幅広い事象を勉強させてもらいました。僕は根っからの理系なので、文章を書く事はすごく苦手だったんだけど、有名な「文章を書く事で人間は正確になる」という言葉のように、それができるようになって考え方が広がったと思う、文章を書く事で、あやふやな所がきっちりしてくる、そのことはすごく良かったと思います。

【農業は大切な産業】
どの産業でもそうなんですが、お客さんに伝え切らないと売れないんです。今まで伝える努力をしてこなかった為に、本当は農業は大事な産業なんだと判っているのに、大事じゃない産業になっちゃっている。 みんな大切だって言うんだけど、朝食は何を食べているか聞くと「パン」と答える人が多いんです。 面白い話で、お米が売れなくて困っているお米屋さんが、朝パンを食べているなんてことがある。僕は非国民だと言ってあげるんだけど、一食抜く事での社会構造の変化が理解できていないのは悲しくなってくることがあります。 豊橋は、農・商・工とバランスよく発達している全国的に見ても恵まれているところなのと、これだけ多くの種類の農産物が生産できる地域も実は日本にはないと言うことも忘れないでほしいですね。

【食を考え提案する】
今うちでは「初恋レモンプロジェクト」をいろんな業者さんと組んで、こちらから企画を提案し倫理的にいい方向に行くように活動しています。だから栄養の事から加工の仕方などいろいろな事をかなり勉強していますよ。こういう事で農業がさかんになるし、色々な人達が来る、地域の人達も変わった農家がいるなと思いつつ、理解して地元の食材を食べてくれる。 今は、レモネーディアという品種を作り始めています。これも健康にいいという事が、成分分析の結果解ってきています。そのレモネーディアの良さを加工業者さんに伝えて、一緒に売れる仕組みを整えていくという地道な作業を続けています。そのとき今まで学んできた商品の“良さ”を紐解いて、提案していくことでオンリーワンの“食”にたどり着くことができるのだと思っています。いうならば減点法ではない加点法の世界ですね。

【豊橋の農業の未来】
農業を職業としてきちんと認めてもらう為に、「豊橋百儂人」と言うグループを作って、農業王国豊橋を宣伝し、自分達の経営にプラスになるよう、いろんな人に発信しながら活動しています。 [豊橋百儂人が目指すものより抜粋] 良き伝統を守りつつも革新的努力をし続け、「真」の農業経営者となるべく切磋琢磨する生産者を「豊橋百儂人(とよはしひゃくのうじん)」と認定し、これら活動の主旨に賛同してくださる応援者(サポーター)の皆様と共に、生産者、消費者が一体となった活動を目指しています。

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【若い人達へ】
物事をとにかくいろんな方向から見る事が一番大切。 「テレビで言ってる。」「大学の先生が言ってる。」「教科書に書いてある。」って 言う事が、ちょっと違うんじゃないかなって思えたら本物だと思います。 ただ、人生ずっと勉強だから、最初はまっすぐ走って行ってください。いろん な方向から物事を見るのはちょっと遠くに行ってからでいいのでは?そうして いるうちに気付きと発見のスパイラルに落ちていくと楽しくてわくわくする人 生になると思います。

【編集後記】
高校時代サッカー部で1年先輩だった河合さん。当時のサッカーのプレイを思い起こさせる、繊細かつ大胆な姿は今も健在でした。話を聞くうちに引き込まれていくこの感覚、きっと河合先輩の気持ちが込められた熱い言葉だからだと思います。 私自身、農業の未来について、豊橋の未来に付いて、日本の未来について、改めて考える良い機会になったと感じています。みんなで、誇れる街、豊橋にしたいですね。

                                                    17回生 加藤卓宏

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